2020年12月19日に開催されたオガヒワワークショップから約4年が経ちました。オガヒワは未だ絶滅の淵に立たされています。絶滅を回避するため、今必要な対策を更新すべく、第2回のワークショップ開催を計画しています。


更新履歴

2024.10.21 ワークショップ」に第2回オガサワラカワラヒワ保全計画作りワークショップの情報を更新しました。

2022.1.10 「ヒワポッポの日」に「質疑応答・コメント」を掲載しました。

2021.12.10 「ヒワポッポの日」で「応援メッセージ・質問」の募集を始めました。

2021.11.30 「ヒワポッポの日」のページを新たに作りました。ヒワポッポの日は12月19日に開催予定です。

2021.6.15 「取り組み」に「オガサワラカワラヒワの普及啓発パンフレット」のpdfを掲載しました。ぜひダウンロードしてご活用ください。

2021.2.19 「ワークショップ」に講演会「オガサワラカワラヒワぜんぶわかっちゃう」(1.17開催)でいただいた質問に対する回答を掲載しました。

2021.1.18 「取り組み」に講演会「オガサワラカワラヒワぜんぶわかっちゃう」(1.17開催)のアーカイブ配信について追加しました。

2021.1.17 「取り組み」に講演会「オガサワラカワラヒワぜんぶわかっちゃう」の開催について追加しました。

2021.1.14 「取り組み」に雑誌記事の紹介を追加しました。

2021.1.13 「取り組み」に環境省の向島ネズミ駆除事業の情報(2021.1)、WWFジャパンの記事(2020.12.15)、FCフォルサ母島の活動(2020.11.28)を追加しました。

2021.1.12 「取り組み」からぬり絵をダウンロードできるようにしました。

2021.1.11 「取り組み」にオガサワラカワラヒワの缶バッジの販売(母島観光協会)とクッキーの開発(TOMATON)を追加しました。


 オガサワラカワラヒワは、小笠原諸島だけに生息する鳥です。今、彼らはまさに絶滅の危機に瀕しています。一人でも多くの人に、オガサワラカワラヒワのことを知っていただきたくて、このページを立ち上げました。

 

 この鳥は、スズメほどの大きさの小鳥です。翼の黄色い斑点と大きなくちばしがチャームポイントです。

 いえいえ、おっしゃりたいことはよくわかっています!確かに、とても地味な鳥ですよね・・・。でも、この鳥は小笠原を代表する鳥の一つなのです。

オガサワラカワラヒワ雄成鳥
オガサワラカワラヒワ雄成鳥

  特徴的なのは大きなくちばしです。オガサワラカワラヒワは、本州のカワラヒワに比べて小さな体と大きなくちばしを持っています。本州のカワラヒワは草の種を好みますが、オガサワラカワラヒワは堅くて大きな樹木の種子もよく食べるため、大きなくちばしを進化させました。

オガサワラカワラヒワのくちばしは本州のものより大きい
オガサワラカワラヒワのくちばしは本州のものより大きい

 この鳥は、全国で見られるカワラヒワの「亜種」と考えられてきました。しかし、DNA分析により100万年以上前に他の集団から分化していることが示され、「独立種」と考えるべき鳥だとわかりました。

 つまり、オガサワラカワラヒワは小笠原で長い時間をかけて進化してきたユニークな鳥なのです。

 

 参考:「日本固有の鳥が1種増える!? ―海洋島で独自に進化を遂げた希少種オガサワラカワラヒワ―」

カワラヒワ類の系統樹
カワラヒワ類の系統樹

 小笠原を代表する植生である「乾性低木林」が彼らの生息場所です。繁殖地は無人島に限られており、繁殖期の後に有人島の母島に渡ってきます。母島では、集落でも観察されることがあります。

母島属島の妹島の乾性低木林
母島属島の妹島の乾性低木林
集落でバジルを食べるオガサワラカワラヒワ
集落でバジルを食べるオガサワラカワラヒワ

オガサワラカワラヒワは、以前は小笠原諸島の聟島列島、父島列島、母島列島、火山列島に広く分布していました。しかし、現在は母島列島属島の無人島(向島、姉島、妹島、姪島、平島)と南硫黄島でしか繁殖していません。

 繁殖個体数は年々減少しており、母島列島に残り200個体以下、南硫黄島に約100個体しかいないのではないかと推定しています。

 1995年頃、この鳥は既に減少傾向にあると言われていました。しかし、母島の南部では普通に生息していました。少し水たまりができるとすぐに集まってきて、10羽以上の群れがよく見られたものです。このため大きな危機感はありませんでした。

 2000年代に入ると、オガサワラカワラヒワを見る頻度がだんだんと減ってきました。母島で大きな群れを見ることは少なくなりました。それでも、属島に行くとよく観察できたので、「減少」は感じても「絶滅」という言葉にはまだ現実感がありませんでした。

 2010年頃からは、この鳥は本当に数が少なくなってしまい、調査をしていても年々観察数が減っていきます。最初は年変動の範囲かと思っていましたが、確実に姿を消していくのを実感しました。

 そして2020年、彼らの姿は属島に行ってもほとんど見られなくなりました。

「生物が絶滅する前って、こんな風になってしまうんだ」

 目の前で鳥が一種絶滅しようとしているのだとわかりました。

 

 私たちはなんとかしてこの鳥を絶滅の淵から救いたいと考え、保全のための研究や活動を行ってきました。そして、2020年12月には「オガサワラカワラヒワ保全計画作りワークショップ」を開催しました。

 この鳥を救うためには、多くの人の協力が必要です。正直なところ、今の私たちの力だけではこの鳥を守ることができません。まずは、オガサワラカワラヒワという鳥が日本の端の小笠原諸島で絶滅の危機に立たされていることを、みなさんにも知っていただければと思います。


これはワークショップのロゴマークです。翼の黄色い模様は、オガサワラカワラヒワの繁殖地の数を示しています。繁殖地が増えればこの模様も増えていきます。彼らの翼に彩りを増やしていきましょう!



第2回オガサワラカワラヒワ保全計画作りワークショップ実行委員会

実行委員長  川口大朗(アイランズケア)

副実行委員長 堀越和夫、鈴木創、佐々木哲郎(小笠原自然文化研究所)、向哲嗣(アイランズケア)

事務局長   後藤雅文(アイランズケア)

副事務局長  松岡美範(アイランズケア)

実行委員   両角健太(アイランズケア)

       玉井徹(アイランズケア)

       川畑豪也(アイランズケア)

       藤谷天蔵(アイランズケア)

       堀越宙(小笠原自然文化研究所)

       飴田洋祐(小笠原自然文化研究所)

       加賀芳恵(小笠原自然文化研究所)

 

小笠原自然文化研究所

http://www.ogasawara.or.jp/blog2/

 

アイランズケア

https://www.islandscare.org/