
オガサワラカワラヒワ(通称オガヒワ)は、小笠原諸島だけに生息する鳥(小笠原諸島固有種)です。スズメほどの大きさの小鳥で、翼の黄色い斑点と大きなくちばしが特徴です。様々な脅威により急激に数を減らしており、2020年環境省レッドリストでは絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)、また種の保存法の対象である国内希少野生動植物種に指定されており、現在ではあと約200羽ほどしかいないと推定されています。
この鳥は、全国で見られるカワラヒワの「亜種」と考えられてきました。しかし、DNA分析により100万年以上前に他の集団から分化していることが示され、「独立種」と考えるべき鳥だとわかりました。2024年9月には、日本鳥学会が発行する日本鳥類目録改訂第8版により、正式に独立種となりました。オガサワラカワラヒワは小笠原で長い時間をかけて進化してきたユニークな鳥なのです。
参考 : 日本鳥類学会 日本鳥類目録第8版
:「日本固有の鳥が1種増える!? ―海洋島で独自に進化を遂げた希少種オガサワラカワラヒワ―」

オガヒワは、以前は小笠原諸島の聟島列島、父島列島、母島列島、火山列島に広く分布していました。しかし、現在は母島列島属島の無人島(向島、姉島、妹島、姪島、平島)と南硫黄島でしか繁殖していません。
繁殖個体数は年々減少しており、母島列島に残り100個体以下、南硫黄島に約100個体しかいないのではないかと推定されています。
1995年頃、この鳥は既に減少傾向にあると言われていました。しかし、母島の南部では普通に生息していました。少し水たまりができるとすぐに集まってきて、10羽以上の群れがよく見られたものです。このため大きな危機感はありませんでした。
2000年代に入ると、オガヒワを見る頻度がだんだんと減ってきました。母島で大きな群れを見ることは少なくなりました。それでも、属島に行くとよく観察できたので、「減少」は感じても「絶滅」という言葉にはまだ現実感がありませんでした。
2010年頃からは、この鳥は本当に数が少なくなってしまい、調査をしていても年々観察数が減っていきます。最初は年変動の範囲かと思っていましたが、確実に姿を消していくのを実感しました。
そして2020年以降、彼らの姿は属島に行ってもほとんど見られなくなりました。
「生物が絶滅する前って、こんな風になってしまうんだ」
目の前で鳥が一種絶滅しようとしているのだとわかりました。
私たちはなんとかしてこの鳥を絶滅させないため、保全のための研究や活動を行ってきました。そして、2020年12月と2025年1月には第一回、第二回の「オガサワラカワラヒワ保全計画作りワークショップ」を開催しました。
この鳥を救うためには、多くの人の協力が必要です。今の私たちの力だけではこの鳥を守ることができません。まずは、オガヒワという鳥が日本の端の小笠原諸島で絶滅の危機に立たされていることを、みなさんにも知っていただければと思います。

第2回オガサワラカワラヒワ保全計画作りワークショップ実行委員会
実行委員長 川口大朗(アイランズケア)
副実行委員長 堀越和夫、鈴木創、佐々木哲郎(小笠原自然文化研究所)、向哲嗣(アイランズケア)
事務局長 後藤雅文(アイランズケア)
副事務局長 松岡美範(アイランズケア)
実行委員 両角健太(アイランズケア)
玉井徹(アイランズケア)
川畑豪也(アイランズケア)
藤谷天蔵(アイランズケア)
堀越宙(小笠原自然文化研究所)
飴田洋祐(小笠原自然文化研究所)
加賀芳恵(小笠原自然文化研究所)
小笠原自然文化研究所
http://www.ogasawara.or.jp/blog2/
アイランズケア
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